入社以来、一番思い出深いのは、現・大井第一物流センターで、倉庫業務、特に輸出業務に携わっていた時のことです。1990年代前半、バブル景気は崩壊していたものの、まだまだ荷動きは活発で、当物流センターでも食品から機械、電子部品まで多種多様な荷物を世界各国に輸出するためバンニング(コンテナ詰め)作業を実施していました。
私の業務は、お客様から輸出依頼を受けた荷物をバンニングするため、作業指示書を作成し、協力店社の現場作業員にバンニング指示を出すことでした。荷物の形態や重量、大きさは様々で、コンテナ内にどのように積み付けるかが大きなポイントとなります。1件の船積み依頼でコンテナが4~5本(多い時は10本以上)にもなる荷物量の場合、「積付け図」(想定図)を書くことで、コンテナ内に貨物をどう積み付けるかシミュレーションし、効率良く作業できるよう心掛けていました。
積み付け効率を上げることは、お客様の利益向上に貢献しますが、無理な積み付けをしてしまうと荷崩れ等の事故に繋がり、結果的にお客様に損失を与えてしまいます。貨物の安全を第一に考慮してプランを組み立てたことは言うまでもありません。効率化と安全性、この相反する両者を上手く融合させながらバンニングプランを組むことが醍醐味であり、それを十分に味わうことのできる業務でした。
現在は本牧物流センターおよび大黒第二物流センターで、貨物の輸出入作業に関わる業務に携わっています。まさにモノを動かすその瞬間に日々立ち合っていると実感しています。また、日本の発展のためには輸出入品のどちらも必要不可欠です。本業務が日本のミライづくりに寄与する重要な業務であると自負しています。
倉庫での輸出入作業は当社だけで完結するものではなく、荷役をはじめ検数(入出庫品の数を数えたり、ダメージの有無を確認する業務)や検量(荷物の大きさや重さを計測する業務)の作業を行う協力店社の方々との共同作業により成り立っています。
宇徳と協力店社の双方が同じベクトルで作業することではじめて、お客様に上質なサービスを提供することが可能になる。そのことを常に念頭に置き、日々の業務に邁進したいと考えています。
取材:2020年9月