プラント事業
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Project story プロジェクトストーリー

宇徳のプラント事業の現場には、スケールの大きな輸送や繊細な計画、そして人の挑戦があります。
ここでは、そんな現場のリアルを伝える3つのプロジェクトストーリーをご紹介します。それぞれの経験から見える、"プラント事業らしさ"を感じてみてください。

3Dシミュレーションソフト開発
  • (左)

    輸送・施工技術部
    技術チーム
    I.T 2025年入社
  • (中央)

    橋梁・社会インフラ設備部
    営業・機工チーム
    Y.Y 2021年入社
  • (右)

    輸送・施工技術部
    技術チーム
    J.I 2021年入社

Story 01 若手が挑んだ、3Dシミュレーションソフト開発。
輸送計画の「見える化」で、現場が変わる。

「2次元(2D)の図面だけでは、伝わらないことがある」。 そんな現場の課題から生まれたのが、スーパーキャリアの3次元走行シミュレーションソフト「TOMOCA」です。本ソフトの最大の特徴は、「3次元(3D)計測した点群データをもとに、3D空間上でスーパーキャリアでの輸送作業や施工方法を再現し、事前に確認できる」という点にあります。信号や標識などの干渉物との接触や、輸送中に考えられる危険な箇所を映像で可視化することで、安全かつ確実な工事計画の立案を支援することが目的です。

2D図面で「干渉する、危険である」といった定性的な表現から、3Dで可視化することで、より具体的に共通の作業イメージをもつことが可能になり、関係者間での情報共有や、作業手順・輸送作業中に於ける注意点の説明にも活用されています。

構想から開発、導入までを自らの手で形にしていった若手社員3人に、プロジェクトの裏側や、それぞれが込めた思いをインタビューしました。

「2Dでは伝わらない」から始まった、3人の挑戦

「このプロジェクトが始まったきっかけは、『若手タスクフォース』という活動でした。若手タスクフォースとは、若手社員が主体となり業務の改善・向上に対するアイディアを発案し、若手主体で実行する社内プロジェクト制度です。私たちは学生時代に3Dの勉強をしていたという共通点を基に学生時代に学んだ知識、経験を活かして何かできないか——そんな思いから、このプロジェクトを立ち上げました」と、本プロジェクトの経緯を振り返るYさん。本プロジェクトの発起人である彼が着目したのは建設業界や土木業界で活用され始めていたBIM/CIMの技術でした。

BIM/CIMとは、従来の2Dで行っていた設計・計画・施工プロセスから脱却し、3D計測データや3Dモデルデータを導入することで、業務の効率化、コスト削減、品質向上、そして情報共有の円滑化を図る仕組みで、複雑な施工計画や作業手順を誰にでも分かるように可視化できるという強みがあります。この技術をスーパーキャリアの輸送計画に応用できないかと考えたのが、プロジェクトの始まりでした。

「スーパーキャリアは、宇徳が保有する複数の車軸を持つ台車を指し、使用用途として橋桁や大型タンクなどの超重量物や風車のブレードなどの長尺物を輸送することができます。輸送ルートの幅や勾配、曲がり角、周辺の支障物との関係が非常に重要であり、従来の2D図面だけでは多種多様である情報を伝えるには多くの時間を必要としました。そこで、3D計測した地形データをもとに輸送ルートを3Dで再現することで、輸送する際の、干渉物の有無や危険な箇所を事前に可視化し、関係者にわかりやすく共有できる仕組みを構築したいと考えました」

実測データを、リアルな「空間」として再現するために

Yさんとともに、プロジェクト当初から携わったIさんは、主にシステム開発会社との橋渡し役として、現場での視点を取り入れた仕様調整や当社保有機材から現場毎の詳細部品迄のモデリング化を担当しました。実際のスーパーキャリアの動きや作業従事者の意見をくみ取りながら、「どうすれば本当に使いやすく実際の動作に近いソフトになるか」を常に考え、開発側と何度もやり取りを重ねたといいます。

「特に苦労したのは、社内のニーズとシステム開発会社の技術的制約のギャップを埋めることでした。操作性ひとつとりあげても、実際の現場と実装されたシステムでは再現性が異なることが多々ありました。こちらの要望を相手先へ伝えると"技術的に難しい"と返されてしまう場面もありました。しかし、妥協せず何度も交渉を重ね、最適となる形を一緒に探っていきました」

一方、Tさんは当時入社1年目でわからないことも多い中、試行錯誤を重ね実際の現場に照らし併せ施工計画業務およびシミュレーション動画作成取り組んだといいます。

「現場で取得した3D計測データである点群データには通行人や車両、鳥などが映り込んでおり、シミュレーションを行うにあたりノイズと呼ばれる障害物と判定されることから除去する必要がありました。パソコン上で障害物となりうる要素を一つひとつ丁寧かつ確実に除去するだけでなく、ノイズ除去後に作成する映像を考えながら、全体のバランスや見やすさも考慮し作業を進めました」

その結果、「現場の感覚や暗黙知を3Dで『見える化』できた」とIさん。こうした映像が生む"気づき"が、現場での判断力や危機意識の向上につながっています。少数精鋭の若手チームで進めたからこそ、柔軟な発想で現場視点の技術開発が可能となりました。社内の他部署からも「こんな表現もできるのか」と驚かれることが多く、完成したソフトは、部署の垣根を越えて新たな活用の可能性を広げつつあります。

この仕組みを「業界のスタンダード」にしていきたい

このソフトの導入後は、作業を可視化することができたことにより、関係者が共通した作業イメージを共有することができ、着工前に安全対策を従来以上に的確に行うことができたとの声が寄せられているそう。「2D図面だけでは伝わりづらかった立体的な動きや障害物との干渉箇所も、3Dシミュレーション動画で事前に視覚的に確認できるようになったことで、関係者間での理解が深まり、施工計画の質が高まったのではないかと思います」と、Iさんは手応えを感じています。

Tさんはこのプロジェクトを通じて、「わかりやすさ」の大切さを改めて実感。「とくに印象に残っているのは、自分が関わった現場の映像が、安全対策や関係者の理解向上に実際に役立っていると感じられたことです。スーパーキャリアに搭載する大型機器や長尺物や輸送ルートの3Dデータを見える化し、障害物と干渉した際には画面上で赤く表示されることで、どこが危険であるかがひと目でわかる仕組みになっており、営業活動でも活用しやすいシミュレーションソフトになったのではないかと感じています」

「この仕組みを業界のスタンダードにしたい」と語るのはYさん。「ベテランの知見と若手の技術をつなぐ橋渡しとして、3Dシミュレーションはまだまだ発展の余地があります。熟練者の退職が進む中で、人手不足が大きな課題となっております。技術の継承や業務の効率化は急務です。外国籍人財の活用も進み始めています。だからこそ、今後も誰もが直感的に理解できるわかりやすい仕組みづくりに取り組んでいきたい。そして、このソフトの活用が進むことで、宇徳が真っ先に選ばれる、業界をけん引する存在になることを目指していきたいと思っています」

若手の柔軟かつ自由な発想と挑戦により実現したこの技術によって、今後業界の未来が切り拓かれていくかもしれません。

宇徳史上最大級。約6万トンの輸送を無事故で完遂したプロジェクトの全容。
  • (左)

    事業開発部
    再エネ発電プロジェクトチーム
    チームリーダー
    T.O 1997年入社
  • (中央)

    輸送・施工技術部
    技術チーム

    A.K 2020年入社
  • (右)

    輸送・施工技術部
    施工管理チーム
    チームリーダー
    K.S 2005年入社

Story 02 宇徳史上最大級。
約6万トンの輸送を無事故で完遂したプロジェクトの全容。

神奈川県横須賀市で進められた火力発電所の建て替え工事。その中で宇徳が任されたのは、「発電設備の輸送」という重要なパートでした。運ぶ量は、およそ6万トン。工事の規模はもちろん、その現場条件も決して楽なものではありませんでした。老朽化した施設を解体し、新たに2基の火力発電設備を建設するという大規模プロジェクト。その中で、限られたスペースや厳しいスケジュール、天候や通関といった不確定要素の中、ミスなく、事故なく、すべての輸送物を運び終える——その壮大なミッションを、宇徳はどう成し遂げたのか。それぞれの立場でこのプロジェクトに関わったメンバーの声を通して、受注に至った背景や現場での工夫、そしてこの経験を経て得られた成果について紹介します。

数々の障壁を乗り越え、挑んだ"超大規模案件"への扉

このプロジェクトにおいて、まず最初に苦労したのが「どうやって受注までたどりつくか」でした。営業担当だったSさんは、「『これだけ大きな仕事を本当に引き受けられるのか』『社内で体制を作れるのか』といった不安の声があり、まずは社内の理解を得るところからのスタートでした」と、当初は宇徳社内でも慎重な声が多かったと振り返ります。
一方で、お客さまも宇徳という会社の存在は知ってはいたものの、当初は「こんなに大きなプロジェクトをまかせても大丈夫か?」という不安を持っていたそうです。その中でSさんは、プロジェクト全体の営業窓口として、お客さまとの交渉や提案のとりまとめを一手に担いました。見積金額の精査だけでなく、技術的な質問に対する回答のとりまとめや、必要資料の作成、社内関係部署との調整まで、幅広い役割を一人で担う場面も多くありました。特に、見積書と一緒に提出が求められた仕様書や説明資料をひとつも漏らすことなく、すべて期限内にそろえるという、細やかで確実な対応を徹底。実は、他の候補企業が複数の項目で提出漏れや遅延を起こす中、唯一、すべてを的確にそろえられたのが宇徳だったそう。「ちゃんと準備してくれた会社にまかせよう」という流れがお客さまの社内で自然と生まれたことが、最終的な受注につながりました。

こうしてプロジェクトがスタートすると、現場ではすぐに「スペースが足りない」という問題に直面しました。建設現場のまわりは資材や機器を置くための空き地がほとんどないという、一般的な新設の大型現場とは大きく異なる条件でした。限られたスペースの中で効率よく輸送を行うには、すべての資材を一時保管する余裕はなく、また、建設の進捗状況で日々サイト内の通路の形状が変化するため、大型貨物を輸送するためには、あらかじめ決められた時間に、決められた順番で現場へ届ける必要がありました。ほんの少しでも順番が狂えば、現場作業全体に支障が出てしまう可能性もある中で、緻密なスケジュール管理と現場との連携が求められました。
物流の計画立案と現場調整の両面を統括していたOさんが担っていたのは、港での荷さばきから現場への搬入タイミングまでをコントロールする調整役。輸送の全体工程を把握したうえで、関係部署・協力会社とのやりとりを繰り返しながら、荷物の受け入れ体制を整えていく役割を果たしていました。

「横浜港の保管スペースの空き状況や、通関の進み具合を毎日確認しながら、『どの荷物を、いつ、どこへ運ぶか』を細かく組み立てていく作業は、緻密な情報整理と即時の判断力が求められる仕事です。たとえ1件でも遅れたり早すぎたりすれば、現場の進行に大きな支障が出てしまうため、スケジュール通りにすべてを調整することは容易ではありませんでしたね」

それでも、Oさんは現場との密な連携と先を見越した段取りで対応し続け、このプロジェクトの成否を左右する重要な役割を果たしました。実際に宇徳が運んだ設備の量は、約6万トン。これは宇徳がこれまでに手がけた中でも、最大級と言って過言ではない規模でした。

ベテランから若手まで、一人ひとりの努力によってプロジェクトが前進

このプロジェクトのもうひとつの特徴は、営業担当だったSさんが、現場責任者も兼ねていたことです。営業と現場は別の担当者が行うのが一般的ですが、今回はSさんが受注から計画、そして現場の動きまで一貫して関わっていたため、細かな変更や現場の状況にもすばやく対応できました。
実際、建設が進む中で発電所の敷地内に設けられた仮設道路やクレーンの設置場所が変更されることも。そうした場面で、Sさんは「この時期にはここが通れていないとおかしい」「計画上、このスペースは空いているはず」と具体的な判断ができ、輸送チーム全体が安心して動ける状況を作っていました。

また、当時入社2年目でこの現場に入ったKさんにとっては、すべてが初めての経験でした。職人さんへの声のかけ方、現場のルール、輸送作業の段取りなど、基本的なことからひとつずつ覚えていきました。「自分が何をすればいいのか、最初は本当にわからなかった」と話しますが、周囲の先輩や協力会社の方々が親身に教えてくれたおかげで、少しずつ自信がついていったそうです。

「特に印象に残っているのは、船で運ばれてきた大型機器を荷揚げし、決められた順序と手順で構内へ運ぶ『水切り作業』です。他部門と連携し宇徳の"王道"ともいえるこの作業をやりきったとき、やっと現場の一員になれたように思います」

現在は部署を異動し計画・設計業務に携わっているKさん。この現場経験を通じて得た知識や視点を活かし、「現場を知っている人間として、どんな工程が現実的か、よりよい計画を立てられるようになりたい」と、現場経験を活かした計画業務に取り組む日々を送っています。

無事故でやりとげた3年間がもたらした、社内外からの称賛

このプロジェクトが終わったとき、最も高く評価されたのは「水切り・構内輸送で事故がひとつもなかったこと」、そして「計画通りに完遂したこと」でした。約3年間にわたる長期間の作業の中で、けがやトラブルが一度もなかったという結果は、決して偶然ではありません。関わったすべての人がそれぞれの持ち場でベストを尽くし、連携し合いながら安全第一を貫いたからこそ成し得た成果です。スケジュールが厳しい中でも、焦らず、着実に安全確認を重ねながら作業を進める姿勢が、プロジェクトの最終盤までぶれることなく貫かれていました。

こうした結果が正式に認められ、プロジェクト完了後、宇徳はお客様から表彰を受けました。表彰状を手にしたのは現場責任者のSさん。授与されたのは輸送作業がすべて完了したあと、プロジェクトが静かに幕を下ろしたタイミングでした。関係者一人ひとりの努力と日々の積み重ねが、目に見える「評価」という形で返ってきた瞬間でもありました。
この表彰は、新たな信頼へとつながり、宇徳の施工力や組織力に対する期待値もさらに高まりました。別の部署から新しい案件の打診が寄せられるなど、社内外からの反響は大きく、Kさんは「社内でも、私を含む若手メンバーの信頼感や存在感が一段と高まり、『あの現場に行った経験があるなら任せても安心だ』と言われるようになりました」と振り返ります。

今後は、宇徳が持つ「施工力」をより多くの人に知ってもらうことが課題だとOさんは語ります。
「宇徳=物流や港の会社、ではなく大規模インフラ・プラントにも強い会社なんだということを、もっと多くの人に伝えていきたいですね」
このプロジェクトを通じて築かれた信頼と成果は、宇徳の新たな可能性を開く確かな一歩となりました。

福島原発関連プロジェクトを共にした3人の同期
  • (左)

    輸送・施工技術部
    技術チーム
    アシスタントマネージャー
    S.F 2013年入社
  • (中央)

    原子力機工部
    福島事業所
    アシスタントマネージャー
    K.H 2013年入社
  • (右)

    原子力機工部
    原子力営業チーム
    アシスタントマネージャー
    Y.N 2013年入社

Story 03 福島原発関連プロジェクトを共にした3人の同期。
それぞれの道、それぞれの想いとは。

一歩間違えれば、大きな事故になりかねない。そんな緊張感のなかで、福島第一原子力発電所4号機の使用済み燃料を安全に運び出す——。2013年、宇徳に入社したばかりの1年目社員としてそのプロジェクトに関わったのは、Fさん、Hさん、Nさんの3人。いずれも異なる学びや就職活動の軸を持ち、別々の部署に配属されながらも、福島の地で同じ現場を経験した同期であり、同志です。
「原子力の現場」と聞くと、堅く厳しい世界を想像するかもしれませんが、3人はそうしたイメージとは少し異なるリアルな職場の空気や、現場で得た気づき、そして仕事を通じて築かれた関係性を語ってくれました。あれから12年。久しぶりに顔をそろえた3人に当時の記憶を振り返ってもらうとともに、今の仕事やこれから挑戦したいことについてご紹介します。

原点は、福島第一原発4号機の燃料取り出しプロジェクト

「1年目に担当したこのプロジェクトは、自分にとって原点です。今の仕事をするうえでも、当時の経験や緊張感が役立っていると感じます」
そう語るのは、大学時代に工学部機械工学科で設計を専攻していたFさん。東日本大震災を契機に災害復旧に関わる職業に興味を持つようになり、復旧の最前線で働くチャンスのある宇徳に魅力を感じて入社しました。2013年、東日本大震災からの復旧が進む中、彼が最初に携わったのは、「福島第一原子力発電所4号機に保管されていた使用済み燃料を安全な場所へ移送する」という極めて重要なプロジェクトでした。

この作業は、単に「燃料を運ぶ」といった単純な話ではありません。燃料を収めた専用容器は、それだけで約90トン、燃料を入れると100トンを超える重量物です。しかも、使用済み燃料は放射線を発しているため、容器に水を満たし、放射線を遮蔽しながらプール内に沈める必要があります。さらに、4号機の建屋は水素爆発によって損傷を受けており、余震などで崩壊のリスクもある状態。その中で、1回1回の作業ごとに綿密な手順を確認しながら、建屋から敷地内の共用プールまで安全に運ぶという極めて繊細で重要な輸送作業でした。
そのためには、輸送中の容器が確実に固定されているか、周囲の干渉物と接触しないかといった点まで徹底的に確認しなければなりません。宇徳としての高度な技術力と現場対応力が求められるプロジェクトだったのです。

異なるキャリアを歩んでいるからこそ、支え合える同期の絆

このプロジェクトには、同じく2013年に入社したHさんとNさんも関わっていました。Hさんは大学で金属触媒の研究に取り組んだ理系出身で、自然に近い場所や港湾エリアで働きたいという想いから、インフラ整備や物流に関わる仕事に関心を持ち、宇徳に入社。福島拠点にて原子力発電所の廃炉工事計画を担当しました。一方、Nさんは幼い頃からのクルマ好きが高じて、機械設計を学ぶ中で「巨大なモノを動かす仕事がしたい」と考えるようになり、港湾物流と重量物輸送の両方に強みを持つ宇徳を志望。入社後は本プロジェクトの現場に入り、報告書の作成や立ち上げ時の業務サポートなどを担いました。建屋の損傷、搬送物の重量、そして高い放射線量といった数々の制約が重なる中、3人は試行錯誤を重ねながら71回にも及ぶ燃料容器の輸送を完遂しました。

「容器だけで90トン、燃料を入れると100トン以上になるものを、一つひとつ、手順を確認しながら運びました。新人の私たちにとってはとてつもないプレッシャーを感じる経験でした…。一方で、このプロジェクトを最初に経験できたからこそ、どんなに難しい案件がきても冷静に受け止めて、対応策を一つずつ考えられるようになりましたね」(Hさん)
「右も左もわからないまま"応用の応用"をやっていたようなものでした。手書きで連日仕上げた作業報告書や、プレッシャーの大きな現場でのやりとりは、今も記憶に残っています。でも、そんな環境でも同期がいたから乗り越えられたと思います」(Nさん)

12年経った今、3人はそれぞれの立場で活躍しています。Nさんは営業職として原子力関連の案件を再び担当しており、福島第一原発での実務経験を持っていること自体が、お客さまからの信頼や安心感につながっていると感じているそうです。実際に経験したからこそ語れる言葉や提案があり、それが実績として評価される場面も多くなってきたといいます。Hさんは3号機、そして現在は2号機のプロジェクトに携わっており、現在も宇徳の福島事業所で使用済み燃料取り出しのプロジェクトに関わり続けています。「4号機での経験がすべての基礎になっている」と語ります。Fさんは原子力以外の橋梁や機材開発も含む計画業務に携わり、業界の働き方改革にも取り組んでいます。

「3人ともまったく違うキャリアを歩んできたからこそ、同じ視点に凝り固まらずに話ができるのがいいですね。みんなが同じ経歴だと、どうしても考え方も似通ってしまいがち。いろんな現場を経験してきた仲間だからこそ、技術的な相談や悩みごとでも、それぞれ違う角度からアドバイスをもらえるのが心強いです。今では別の部署にいますが、今でも気軽に連絡を取り合える関係です」(Fさん)

次の世代へと受け継がれていく、3人の意思

最後に、3人に宇徳のプラント事業の魅力や、今後の展望についても語ってもらいました。仕事の厳しさや責任の重さを感じながらも、それぞれが思い描く未来に向かってチャレンジを続けています。

「私は今後、原子力発電所の新設プロジェクトに携わってみたいと考えています。20年規模の長期プロジェクトになる可能性もありますが、その立ち上げ段階から関わり、中心的な役割を担える存在になりたいです。福島第一原発4号機の燃料取り出しプロジェクト以降の経験を活かしながら、新たな未来を築いていく責任とやりがいを感じています」(Nさん)

「輸送というのは、数百トン単位の重量物を扱うニッチな分野ですが、社会インフラを支える上で非常に重要な業務です。私はその中で、技術的な第一人者として信頼される存在を目指したいと考えています。また、業界全体のDX化や働き方改革をリードしながら、輸送計画の標準化や効率化にも挑戦していきたいです」(Fさん)

「将来的には、これまでの経験を活かして後進の育成や現場全体のマネジメントにも関わっていきたいと考えています。"怖い""厳しそう"というイメージを持たれがちですが、宇徳は意外と柔らかくて風通しの良い会社です。入社後すぐに現場を任せてもらえるチャンスも多く、自分の得意分野を活かして挑戦できる環境が整っています。もし少しでも興味を持ってもらえたら、思い切ってチャレンジしてみてほしいです」(Hさん)

宇徳のプラント事業は、インフラやエネルギー分野を中心に、現場の最前線で社会を支える高度な輸送・据付技術を提供しています。そこで活躍する人材には、確かな技術力だけでなく、柔軟な発想と挑戦する姿勢が求められます。いつの時代も、現場を支えるのは人。3人の挑戦とつながりは、これからの世代にも確かに受け継がれていきます。